DAY 1の前に|いつもの町を、1枚だけ。
「これが自分にとっての西尾だ」と思うものを、写真に1枚撮ってきてください。
景色でなくてもかまいません。道でも、駅でも、店でも、家の近くでも。
なぜそれを撮ったのか、理由は一言だけ。
その写真をDAY1終盤で見返し、最後の日にも、もう一度見返します。
この町には、答えの用意されていない謎がある。
AIの爆発的な進化や気候変動によって、地球環境も社会も大きく変化している今、これからの未来をどう考えればいいのでしょうか。
いま自分たちが立っているこの土地も、約1万年という長い時間で見れば、海の位置も、人の暮らしも、移動のしかたも、社会のかたちも大きく変わってきました。
三河学は、そうした長い時間の変化を手がかりに、これからの自分たちの暮らしや社会を考える、高校生のための探究学習プログラムです。
実際の場所に立ち、地形や古墳、神社を見る。資料を読み、人の話を聞き、AIも使う。過去と現在を行き来しながら、自分なりの問いを深めていきます。
1万年という時間軸で土地の変化を見ることで、いまという時代を少し離れたところから見直してみる。そこから、自分は何を学ぶべきか、何を考えるべきか、これからどう生きていくのかを考える。
それが、三河学です。
僕が暮らしているのは、西尾市東幡豆町の洲崎です。
あるとき、ふと思いました。
「洲」と「崎」って、どういう意味なんだろう。
洲は、砂などがたまってできた土地。
崎は、水辺へ突き出した場所。
でも、いま家のまわりに広がっているのは、田んぼや住宅です。
昔、このあたりまで海だったのだろうか。
そこから、地名を見直し、地形を見直し、
古墳や神社、海の交通を調べるようになりました。
すると、知っているつもりだった西尾が、
少しずつ違って見えてきました。
車で見れば、幡豆は半島の先にある。
でも、もし海が「行き止まり」ではなく「道」だったとしたら。
町は何も変わっていない。
変わったのは、自分の見え方でした。
藤野貴教|西尾ミライ新聞 発行人

三河学で起きるのは、町が変わることではありません。
同じ場所が、違って見えてくることです。
三河学は、知らない町へ行くプログラムではありません。
知っている町を、もう一度読むプログラムです。
その手がかりを、自分の問いで追いかける。
AIにも聞く。岩瀬文庫で古い資料にあたる。人の話を聞き、その場所に立って確かめる。
見つけたことも、まだ謎のままのことも、自分の言葉で編んでいく。
三河・西尾そのものを教材に、暮らしてきた土地を自分の目で読み直す3日間。それが、三河学です。

AIに聞けば、町の謎にも答えらしいものが返ってくる。
でも、知れば知るほど、次の「なんで?」が生まれる。
伊勢から海を渡り、三河の地にやって来たのは、どんな人たちだったのだろう。
いまは建物や道路が並ぶ名古屋の低地も、西尾の中心市街地のあたりも、はるか昔には海が入り込んでいたという。
その頃、人はどこに住み、どうやって行き来していたのだろう。海を渡って、何を運び、何を伝えたのだろう。
いま立っている場所に、まったく違う世界があった。
そう思うと、見慣れた町が、急に不思議な場所に見えてくる。
そして、こんなことも考えたくなる。
昔の町がいまと違っていたのなら、これからの町だって、いまとは違う姿になるかもしれない。
過去の謎を追いかけることは、まだない未来を想像することにもつながっている。

「これが自分にとっての西尾だ」と思うものを、写真に1枚撮ってきてください。
景色でなくてもかまいません。道でも、駅でも、店でも、家の近くでも。
なぜそれを撮ったのか、理由は一言だけ。
その写真をDAY1終盤で見返し、最後の日にも、もう一度見返します。
西尾市吉良町、宮崎海岸の近く。三河湾を見渡す岬に、幡頭神社があります。
まずは、ここから海を見てみる。
昔、この海を渡る人は、どこから来て、どこへ向かったのだろう。なぜ神社は、この岬にあるんだろう。
自分の目で見て、考えてみる。
昼食のあとにはAIにも聞きながら、寺部城へ。時代が変わると、この土地の見え方はどう変わるだろう。

西尾市東幡豆町の丘の上にある、とうてい山古墳。
ここには、佐久島の石でつくられた石棺が残っています。
誰が、どうやって、なぜ海を越えて運んだのだろう。
昨日、海を見て想像したことを、今度は目の前に残る石から考えてみる。
西尾市資料館と西尾城で時代をたどり、岩瀬文庫では古い資料にあたる。
AIにも自分たちの考えを問い直してもらう。
どこまで分かった? まだ何が分からない?
2日間で見つけた「なんで?」の続きを、自分で確かめに行こう。
気になった場所へ行ってみる。誰かに話を聞いてみる。
自分のスマホのAIに質問して、次に何を確かめればいいか考えてもいい。
ひとりでも、家族や友人と一緒でも。
写真一枚でも、誰かから聞いた一言でも、まだ分からないことでもいい。
DAY 3には、自分で見つけたものを一つ持ってこよう。
28日・29日のどちらか、30分〜半日程度でOK。2日間ずっと活動する必要はありません。発表資料の作成も不要です。
海を見た。
石を見た。
古い資料を読んだ。
自分の足でも歩いてみた。
すると、いま目の前にある町が、ずっとこの姿だったわけではないことが見えてくる。
海だった場所が陸になった。
道が変わった。
人の移動も、仕事も、暮らし方も変わってきた。
だったら、いまの「当たり前」だって、ずっとこのままとは限らない。
AIは、これからどこまで進むんだろう。
気候が変わったら、この海や町はどうなるんだろう。
20年後、ここで働くこと、学ぶこと、暮らすことは、どう変わっているんだろう。
DAY3は、正しい未来を当てる日ではありません。
この土地が変わってきた長い時間を手がかりに、まだ誰も知らない「これから」を想像する日です。
そして最後に、自分にも問いを返す。
その未来で、自分は何を知りたい?
何を学んでみたい?
応募多数の場合は、参加への意欲・志望度を確認したうえで参加者を決定します。確認が必要な場合は、応募後にこちらからご連絡します。
お問い合わせ
contact@nishio-mirai.jp
詳細な集合案内は実施前にお知らせします。

藤野貴教
西尾ミライ新聞 発行人/overQ
幡豆の海辺に暮らし、西尾ミライ新聞を発行しています。
2007年に人材育成会社を立ち上げ、企業の人材育成や組織づくりに携わってきました。
2017年には『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』を出版。西尾市のスマート自治体推進アドバイザーも務めました。
現在は、海や鉄道、まちの未来を、現地を歩き、資料を読み、人の話を聞きながら取材しています。
三河学では、歴史の正解を教えるのではなく、高校生と同じ場所に立ち、同じ「なんで?」を一緒に確かめたいと思っています。
三河学は、特定の教育機関から認定・推薦を受けたプログラムではありません。
ただ、「自分で問いを持つ」「AIの答えも疑う」「資料や現地で確かめる」「身近な土地を読み直す」という学び方には、現在の教育をめぐるいくつかの考え方と重なる部分があります。
AIを使うだけでなく、その答えを批判的に見て、自分で判断する。
https://www.unesco.org/en/articles/ai-competency-framework-students
未知の状況でも、指示を待つだけでなく、自分で方向を見つけて進む。
https://www.oecd.org/en/data/tools/oecd-learning-compass-2030.html
高校の歴史学習でも、疑問から問いや仮説を立て、多様な資料を使って考える学びが重視されています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1407074.htm
Harvard Project ZeroのOut of Eden Learnや、大槌高校の地域探究のように、身近な場所をよく見て、人や歴史とのつながりを考える実践があります。
https://pz.harvard.edu/content/out-of-eden-learn
https://www2.iwate-ed.jp/oht-h/chiikitankyuka.html
はい。歴史の知識を競うプログラムではありません。「これは何だろう」と、自分の目で見るところから始めます。
大丈夫です。AIを上手に使うことが目的ではありません。必要な使い方は、プログラムの中で一緒に試します。
スマートフォンの有無だけで参加可否は決まりません。自主FIELDWORKでAIを使うことも必須ではありません。端末や事前写真について心配がある場合は、申込時にご相談ください。
一人でも、家族や友人と一緒でもかまいません。28日・29日のどちらか、30分〜半日程度でも大丈夫です。
応募多数の場合は、先着順ではなく、参加への意欲・志望度を確認したうえで参加者を決定します。確認が必要な場合は、応募後にこちらからご連絡します。
通常の小雨だけで、自動的に中止するわけではありません。
西尾市で、屋外活動や移動の危険に関わる警報・注意報が出た場合は中止します。
DAY 1またはDAY 2が中止になった場合は、その日の内容だけを飛ばして予定どおり先へ進むのではなく、学びの順番を保てるよう全体日程を再調整します。
具体的な判断基準と連絡方法は、参加者へ事前にお知らせします。